サブカルの神様とその周縁

NYLON100℃ 33nd SESSION「神様とその他の変種

と、ケラインタビュー雑感。
ケラさんの魅力は、闇を懐くフツーの人の中に潜む変種に、極めて偏った愛情を注いでいるところだと思う。光より闇、希望より絶望に寄り添う人の鬱々とした機微(笑)そこに(ブラック)ユーモアがいみじくも同居している。絶望を笑い飛ばそうとする努力。素晴らしい個性だ。
しかしながら「僕の脚本(ホン)は上手い役者さんとしか演れない」とか言い放ってしまう辺り、辻仁成*1と同じくらいむずがゆい。彼のホンは、繊細な感情の機微を微塵切りにして日常に紛れ込ませてあるので、非現実で現実に向き合う感覚に陥る。余裕がある時に観ないと旨味が味わえない。娯楽で見たい人には向かない。
インタビューでケラさんはマスターピースにとても素直だった。野田に対する子供のような憧憬。20分足らずのインタビューで3回は名前を聞いた気がする。*2サブカルに生きている人らしからぬ素直さ。野田さんなら使えない客寄せパンダにもテキトーに接するよ、そう伝えたくなった。辻*3と違う点はここかもしれない。
渡る世間とロシア文学を昼ドラにして、ナゴム要素をちょっぴり足すとナイロン。それが私のイメージ。

舞台自身は曲が泣けるほど美しかった。それ以上はあまりない。

ところで奈緒さん元気かなぁ。以前プロフ見たら田園雙葉でびっくりしたYO

*1:今でもどうもじんせいと読んでしまう

*2:ケラ・マップの時点で既になんだが、「あれから」の中でダイバーが思いっきりパクられていた時は本当にウケた。

*3:呼び捨て自重w