去勢された猥雑さ

血は立/ったまま眠っている」@コクーン [演劇ライフ]

戦争を知っている人が描き、戦争を知っている人が演出する、安保闘争。幕は開いたまま眠っている所感。
寺山修司の処女戯曲。この台紙に載せるのはJ事/務所に初舞台の人。意外性を突いた配役、客を呼べるキャスト、予算があるからこそ作れるセット。それだけで「観たい」と客を劇場に向かわせる力量を持った、言わずと知れた大御所の演出家。今回も話題には事欠かない。
 メディアで見知る限り、人として ー彼の美学、趣味や後輩に伝えていきたいことー は個人的にとても好ましい。しかしどうしてか、その成果物である舞台にはどうも心が動かされない。私が蜷川さん演出の舞台を見続ける理由はただひとつ。私が彼の舞台に魅了されない理由を確かめたいからだ。
 今回既視感を覚える演出が多かった。学生闘争に対するイメージがあれなんだろうねwそれを好みとか、くせ、とか呼んでしまえばいいのだろう。レギュラーのろっぺーさんは声と質が一定でないところが、この舞台では逆に生かされるかも知れない。*1初舞台のMくん、テロするにはイデオロギーがないwフツーの人から較べたらカリスマティックかもしれないが、戯曲の勢いが明らかに勝っている。やはり三/上博/史さんくらいのパンチが欲しくなってしまう。魔界転生もたいへん一本調子だったけどwしかし舞台は生きている。「懸けた時間と思いの結晶」とやら、見守りたい。

寺山修司の戯曲は未読。

Jの人は感受性が繊細で描き方が丁寧でとてもよかった。IZOもよかったよね。ところで、初日に行ったつもりが楽日かと思った。Jは総スタオベするって本当なんだね。。。orz

*1:ムサシのNY/LD verの和尚だとか。激しく作品が変わりそうな気が。。。w