案じるよりうぬが好き

プレミアムシアター「按針 ANJIN〜イングリッシュサムライ
[演劇ライフ]

ハードディスクをとにかく消化中。上演当時観ておきたいが食指が動かなかった作品。3時間半。気さくに見始めたらちょう長かった・・(泪
ナベプロヒッパレではないが、ホリプロの、英国による、ホリプロのためのミュージカル。


放送が始まる際のテロップを見て驚いた。演出と役者がロイヤルシェイクスピアカンパニー*1じゃないか!河合祥一郎さんじゃないか!*2演出もRSCの方なので安心して観る。

  • のっけから主役のガイジンが突き抜けている。見たらトニー賞俳優、過去オリヴィエ賞*3にも助演ノミネートされていた。
  • かたやFくんは台詞が聞き取れない。Spaninglish*4な時代背景で、ブリティッシュぼうよみ(!)な役作りさんきゅ!
  • な中で市村さんが出過ぎず、惹きすぎない存在感が本当に素晴らしい。

こんな両者に挟まれれば薄まって当然、Fくんは事務所に贅沢な経験をさせてもらっているなぁ、とつくづく思う。

舞台装置。並々ならぬホリプロの気合いを感じます(笑)スフォルツァ騎馬像ばりの馬はいい出来*5だと思うので、是非蜷川さんに(というより中越さんか?)にお伝えください(笑)

脚本。日本[豊臣VS徳川]、海外[イエズス会(ガッチガチのカトリック)VSピューリタン(プロテスタント)]、それぞれ反体制側に立つアダムスVS家康と、全ての狭間で狼狽する北条家のカトリック宣教師。構成が二元廚には大変ツボでした。前半はティール×F原ペア、後半の家康大フィーチャー、そんなところまでが二元的で(※違います)最後、ああ3人の主役争いは家康が勝ったのね!と納得して終わりました(※違います)史実*6とフィクションが交錯する「3人の主役」のために書かれた物語。長い、ネタも満載、混乱しがちな観客を、役者の力技だけで持って行く。これ脚本家が一番楽しんだのではなかろうか。不思議な舞台でした。

家康と豊臣国松とのシーンの市村さんが、本当に素敵だった。
というわけで結論。ホリプロ乙。

*1:といえばパトリック・スチュワートなスタトレ脳。

*2:萬斎さんのシェイクスピア翻案モノを書いている東大教授

*3:といえばキャサリン・ハンターな野田脳。

*4:巻かれても聞きづらいのだが

*5:それともあれは笑いを取ろうとしているのだろうか

*6:按針はjew説も