籠の鳥が逃れた先は違う形の別の檻

ミシマダブル「サド侯爵夫人」
Bunkamuraシアターコクーン

初日 中二階下手

そろそろ演出は誰かに預けて、企画プロデュースに徹したらどうだろう。
舞台上は見慣れた情景。鏡・搬入口開放・中越さんの動く舞台装置(Cf.ムサシ)、三島事件の演説テープ。三島戯曲の縛りをこなすのはこれがいっぱいなのか。唐突に出る能の摺り足、附打ちが集中力を削ぐ。
この戯曲・タイトルロールの演技共に初見。兎に角台詞量が尋常でない。年齢・台詞量を慮るも経験から期待値が高すぎたのか、貞淑が固着して棒になったことを伝えたいなら大成功なのだが。平モントルイユ夫人は途中からこんなオバちゃんいるわーと思わされるは、木場サンフォン夫人が品格有り余る割にエロぶっとんでてしかし不思議と納得させらるるその最期。アンヌは狡猾さが本当に可愛らしかった。若いお二人は本当に素敵な機会を得たものだ。