断片化するごとに更新されてゆく代替し難い存在の欠如の認識

 バランスが崩れる。そんなことがあると。生活のリズム、自分の日常を構成するナニカが欠ける、則ちアイデンティティのバランスが崩れていく。
体験したから解るんだけど…おかしいよ
裏返せばそれだけ近しく感情を沿わせる相手だったということだろう。断片化していく記憶、突如襲う欠けの認識、頬を伝うみず。これはしゃっくり、これは余震。仏語ではLe tremblement de terre=大地の震えと云う。自身を構成する地盤の欠けによる震え。欠けという溝を少しずつ埋めていく。こうして僕は刻まれた生きざまを包含して生かされる。