近い!近いよ!

 今年も大家の訃報が続く。サリンジャー、翻訳家浅倉久志さん。先日某教育でサリンジャーを振り返る番組が放送されていて、ふとクレジットを見たら翻訳家の青山南さんだった。

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文筆家をメディアで見掛けることは少なくないけど、翻訳家は珍しい。こんな方だったのねーっていうか近い!(笑)近い!近いよ距離が!(笑)NHK放送大学よりカメラとの距離が近いよね。
 誰にでもあると思うが、海外文学は翻訳で読みやすかったり、読みづらかったりする。読みたい本の翻訳家が「合う」方だと、読むのが楽しみで自然とにやにや、わくわくしてくる。

時代が変われば言葉が変わる。少し前の新訳ブーム。大人になって改めて、おしなべて全集モノを読みたいなぁと思う中、池澤夏樹さんの世界文学全集のセレクトが大変偏っていて(笑)とても楽しい。そのド頭が青山さんのケルアックだった。
http://mag.kawade.co.jp/sekaibungaku/

旧訳がさんじゅうねんまえ!とかだったので、もうぜんぜん入りやすい。しかもケルアック好きの訳すケルアック。いいよね、愛を感じる。大好きな人に習うのが、習得のいちばんの近道だ。青山さん、次ギンズバーグの新訳おねがいします。(つーか北米文学にはまったく馴染みがないんだけど、やはりハルキ訳を読むべきだろうか。小説以外ぜんぶ未読。)

 ところで先日映画館で予告編を見て以来、ますます楽しみな「不思議の国のアリス」。昔ジョン・テニエルの挿絵(こわい)満載の原書を買ってもらったものの最初の1ページで挫折(笑)ちょう重たい絵本と化して、辞書並の重みに耐えつつにらめっこしていた中学生時代。テニエルの絵が見たくて(※完全絵本扱い)鏡の国も探してたんだけどな。あの緑の本、まだどこかにあるはず。どこにあるかなぁ。

インターネットが発達して青空文庫e-bookみたいなものでも作品は読めるけれど、紙のニオイを感じながら作家を味わうのは、本当に幸せな時間だ。原書もいいけれど、翻訳家の方の愛と共に味わうのもまた一興。

業界の未来は…だが、音楽も本も本当に好きな人はパッケージを買う。その点で紙は無くならないと信じたい。

でわ先日のジークフリートでリングづいているのでとりあえずゆとりの教科書(ニーチェ)読んどくか!「神々の黄昏」ちょおおおお楽しみだよおぉおおお!